被害者意識を捨てる 3
かたわらで副店長が、こちらはまた信じられないほど丁寧にわたしに謝ります。
なんだかわたしはこのやりとりがすごくしっくりこなくていやな気分になりました。
帰りの車中でこの出来事を振り返り、いったいどこでどんなことが起きたのかを考えてみました。
わかったことがいくつかあります。
まず、この女性が一番初めに「それ、わたしのカートです」と言った直後、10秒あるいは15秒くらいは何も考えなかった自分がいたということです。
そしてその後に「なんだってこの女はこんなにいきまいているんだ」という思いと同時に怒りが発生したのです。
その思いをもっとよく調べてみるとこんな考えも出てきました。
「こんなふうに扱われるような人間じゃないぞ、オレは」
「失礼なやつだな、もっとましな言い方があるってもんだろうが……」
みなさんはすでにおわかりのように、この時点でわたしはかなりの偏見、差別意識、あるいはプライドをもってこの女性に接していたのです。
自分のニセの権威を守るためのフィルターをかけてそのフィルター越しに対応し、自分のちっぽけな我をまもることに一生懸命になっていたのですね。
ここに生じたたった一つの念たった一つの思い。
この思いから次々と怒りが発生するのです。